昭和の人なら誰でも知っているリリーズさん。
真っ白な京都に滞在中に訃報を聞きました。
リリーズさんとは同じ会社で仕事をしていました。
ちょうど今から12年前の1月31日に私は会社を退職し、最終日はお二人に送って頂きました。
いつも旅には、何かテーマがおりてきてそして1つ成長する私がいます。
同級生が順番に還暦を迎える今年、死生観を考える事が多くなりました。
そんな中の旅の途中で知ったリリーズの真由美さんの死は、私にとっては衝撃的でした。
最近は仕事に追われ考える事が多く、音楽も歌詞が入って来るものが苦手になりました。
大好きなミスチルの歌詞さえ入ってこなくなってしまったのです。
でも旅は不思議、誰にも邪魔されない新幹線で何度も何度もミスチルの曲が繰り返し流れていました。
桜井和寿さんも50歳を過ぎ仏像と向き合う事が好きになったとか・・・、
最近の歌詞も仏教から得た死生観を感じる曲がすごく多くなった気がします。
タイトルから「生きろ」なんてかなり上からだったりするのですが、冷たい雪の中「生きろ」って私の心の中に響いてきたのです。
大阪の南詢寺のお坊さんに「京都には曹洞宗のお寺はないんですか?」と尋ねた所、偶然にも「宇治」という言葉が出たのです。
いつもの引き寄せ?とばかりに、教えて頂いた宇治の興聖寺に行きました。
山門まで行くには琴坂という坂を200メートルくらい上ります。
冷たい雪の中の300メートルの坂、緩やかに見えますが、運動不足の私はちょっと息が上がってしまいました。
マスクの中まで雪が入って髪は雪でずぶ濡れ、これも旅だとありかななんて。
南詢寺さんのご紹介で来た事を伝えると、「カイロは?」「お茶でも」と寒さを心配してとても暖かいおもてなし。
自然の優しさを感じました。
来て良かったって心から思えるお寺でした。
しばらく椅子に座って雪の庭を堪能しました。
私が一番心奪われたのは源氏物語「宇治十帖」の古跡手習の杜に祀られていた手習観音様でした。
苦しみを救うため、すぐ駆けつけるという意味で右足を少し前に出して親指を浮かしている姿がたくましくもあり美しくもあり、一瞬の優しさを受け取った錯覚を起こしてしまうほど。
宇治に来たら、やっぱりお茶。
お茶巡りしました。
前日まで音沙汰なかった心友から突然のLINE。
時間が空いたという事で半年ぶりに会いました。
茶道の心得「一期一会」
「一期」とは一生、「一会」とは一度の出会いのこと。
何度も会う機会がある人に対しても、常に「これが最後かもしれない」と考える事、年齢を重ねるとその意味がすごく理解出来る
ようになりました。
リリーズさんだって、またいつか会えると思ってさよならしたのに・・・・。
2人のライブを聴く事ももうありません。
沢山の死を体験し、いつかはないと知って生まれたKIKCAFE。
今年はあの時の感覚とどこか似ています。
2023年、出会いは無駄にせず、毎日が一期一会の精神で過ごしてい来ます。
年相応にゆるゆると後悔ない毎日を積み上げていく、そんな気持ちになった2日間でした。
KIKCAFE
横浜市保土ヶ谷区岩井町29ー4
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